創業133年の米コダック、事業停止の危機か(CNN.co.jp)
ニューヨーク(CNN) 創業133年の写真メーカー、イーストマン・コダックは11日の決算報告で、約5億ドル(約740億円)に上る債務を返済するための「確約された融資または利用可能な流動性」がないと述べた。「こうした状況は、当社の企業としての継続能力に重大な疑義を生じさせる」としている。 【画像】1938年に製造されたコダック初の35ミリフィルムカメラ コダックは、退職年金制度への支払いを停止することで現金を捻出することを目指している。関税については、カメラやインク、フィルムなど多くの製品を米国で製造しているため、事業に「実質的な影響」を与えるとは想定していないという。 コダックの広報は12日、CNNへの声明で、「期日前に融資の大部分を返済し、残りの債務や優先株債務を修正・延長、または借り換えできると確信している」と述べた。 コダックの株価は12日正午に25%あまり下落した。
栄枯盛衰
コダックは1892年設立。その起源は創業者である故ジョージ・イーストマン氏がプレートコーティング機の特許を初めて取得した79年にさかのぼる。同氏が最初のコダックカメラを25ドルで販売したのは88年のことだった。 コダックカメラは写真を広く普及させるべく設計された。イーストマン氏は「あなたはシャッターを押すだけ、あとはわれわれにお任せください」というスローガンを生み出した。 社名にほとんど意味はなく、「コダック」という単語はイーストマン氏が思いついたものだという。 コダックはカメラとフィルムの製造で1世紀にわたり成功を収めた。エコノミスト誌によると、1970年代のある時点では、米国におけるフィルム販売の90%、カメラ販売の85%を占めるほどだったという。 しかし市場での圧倒的地位は、同社が開発した技術によって終焉(しゅうえん)を迎えた。コダックは75年、世界初のデジタルカメラを発売した。 同社はデジタル技術の台頭を生かすことができず、2012年には連邦破産法第11条の適用を申請。債権者は10万人、負債総額は67億5000万ドルに上った。 その後、20年には医薬品原料生産へと軸足を移し、株価は急上昇していた。 最近の損失にもかかわらず、昨年には同事業の拡大を目指すと発表。同社は映画業界を含む企業向けにフィルムや化学薬品の製造も続けており、さまざまな消費者向け製品の自社ブランドのライセンス供与も行っている。
0 Comments
Yorum ekle