たった2kmなのに…車で70分のイライラ 「京の奥座敷」貴船神社を揺るがす観光渋滞(産経新聞)
京都有数の観光地として知られる貴船神社(京都市左京区)へと続く道路で渋滞が慢性的に発生し、関係者を悩ませている。もともと道幅が狭いことに加え、近年はインバウンド(訪日客)の増加も混雑に拍車をかけている。幸いにも深刻な事故は起きていないものの、渋滞の影響でドライバーの労働時間に影響が出たり、観光事業者の業務に支障が及んだりする恐れがある。間もなく秋の観光シーズン。京都府警は車両規制を実施するが、問題の抜本解決には時間がかかりそうだ。 【投稿された写真】日本の高速道路上で中国人女性2人が寝そべり 「本国に送還すべき」と非難 ■平時5分が70分近くに 貴船神社は京都市北部の山間部に位置する。春から夏にかけては周辺の店で川床が設置され、涼しげな川のせせらぎを感じながら京懐石を楽しめることから一帯の異名は「京の奥座敷」。避暑地としても関西一円から多くの人が足を運ぶ。 よく晴れた9月上旬の土曜日。この日も一帯は多くの観光客でにぎわっていた。その一方、貴船神社へと続く府道で目立ったのが、乗用車や送迎バス、歩いて移動する観光客らによる危険な光景だった。車が歩く人の集団のそばを通過したり、沿道の施設の敷地内に侵入して対向車を交わしたり。通行量の増える昼間や夕方には慢性的な渋滞も起きていた。 「道幅が狭く人通りも多いので、できれば運転したくない」。こう語るのは、岡山市の観光バス運転手、橋口雅彦さん(41)。ツアー客の送迎で周辺を時々訪れるというが、「この辺りの道幅は車1台通るのもやっと。バスと車が詰まって渋滞になることがよくある」と話す。渋滞が続けば、ツアーの行程や労働時間の規制にも影響が及ぶことがあるといい、「どうにかしてほしい」と頭を抱える。 貴船神社近くで旅館を営む小原陽さん(69)も状況の変化に困惑している。行楽シーズンに観光客を約2キロ先の最寄駅まで車で迎えに行った際、平時であれば約5分で到着していたが、混雑時は70分近くを要することも珍しくない。「10~15分くらい前に着く予定で行ってもダメだった」と振り返る。 府道は両端には車道と歩道を区切る白線が敷かれているものの、歩道側のすぐそばには川や崖があり、人1人が歩けるくらいの幅しかない。友人2人と観光に訪れていたフランス国籍のジョナサン・モントーリーユさん(34)は「歩いているそばを車が通ると怖いと感じる」。親子3人で縦に1列になって歩いていた大阪市の会社員、井上彰彦さん(45)も「もう少し幅の広い歩道が整備されれば安心できる」と漏らす。
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