ヒト、モノ、カネを総動員 露・ウクライナの死傷者100万人突破か 侵略3年(産経新聞)
ロシアによるウクライナ侵略は24日、開始から3年を迎えた。戦闘は長期化し、両国の消耗戦と化している。両政府や英国政府の発表を総合すると、昨年末時点で両国の死傷者数は100万人を大きく超えた。戦況に決定的な変化はないが、ウクライナの支配域はじりじりと縮小しているのが現状だ。 【画像】ウクライナ新兵器「ドラゴンドローン」…2200度の溶解鉄降らせる 米シンクタンク「戦争研究所」によると、ロシアはウクライナ東部で優勢な地域を拡大している。昨年1年間で4168平方キロ増やした。昨年5月には北東部ハリコフ近郊で新たな戦端を開いた。 一方、ウクライナは昨年8月、電撃的にロシア西部クルスク州の越境攻撃を開始。一時は占領地域を1300平方キロにまで広げたが、ロシア軍の反攻を受けて後退を余儀なくされた。今月13日の時点で、同州のウクライナ占領地域は500平方キロに縮小している。 公開情報から装備の被害を推計する軍事情報サイト「オリックス」(Oryx)によると、両国の損害は戦車だけで計4千台を超えた。無人偵察機などのドローンも両国で計1千機超が損耗しており、継戦には大量の物資投入が必要となっている。 英シンクタンク「国際戦略研究所」(IISS)によれば、ロシア軍の総兵力は113万4千人でウクライナ軍は73万人。ロシアの軍事関連支出は侵略開始前の2021年は500億ドル(約7兆5千億円)程度だったのが、予算案ベースで25年は1700億ドルを超えるとみられる。 欧米や日本からウクライナへの支援も総額が膨らんでいる。独シンクタンク「キール世界経済研究所」のデータでは、戦車などの軍事援助のほか、資金援助、人道援助をあわせた各国・地域の支援総額は2670億ユーロ(約42兆1千億円)となった。 国別で最大は米国で1140億ユーロ。日本は軍事援助はゼロだが、他の援助を積み上げ、国別でドイツ、英国に次ぐ4位の110億ユーロ。欧州全体では1320億ユーロと米国を上回った。 同研究所によると、物資面の援助は当初、在庫の兵器が多かった。だが、戦争の長期化で両軍の損耗が激しくなり、最近は新規調達による兵器の援助が拡大し、半数近くが新規調達となっている。
■ウクライナ国民8割超「ストレスと緊張」
ウクライナでは、戦争の長期化とともに、メンタルヘルスの問題を抱える国民が急増している。調査では国民の8割超が「ストレスや緊張」を感じていると回答しており、対策が急務だ。
ウクライナのメンタルヘルスの専門家が2月中旬に来日し、現状を語った。ウクライナ政府の「メンタルヘルス調整センター」のオクサナ・ズビトネワ氏によると、今年実施された調査に対し、国民の83%がストレスや緊張を感じていると明らかにした。
また、ウクライナ国内では、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の新規患者数が急増。2021年に3167人だった患者数は、22年に7051人、23年には1万2494人となったという。
国民が高いストレス下にある状況にズビトネワ氏は、「多くの人が戦争は長く続かないと思っていた。先の見えない状況は人間にとって耐えがたい」と指摘。国民の精神面でのケアは戦争が終結したとしても「数十年にわたって取り組まねばならない」と述べた。

0 Comments
Yorum ekle